「歯科衛生士が足りない」
「もっと人手があれば…」
あなたも、そう思ったことはありませんか?
今、歯科衛生士の復職支援や離職防止は積極的に進められていますが、そもそも歯科衛生士の離職の原因は、歯科衛生士だけで解決できるものではありません。
そこに関わっている人や環境が大きく影響しているのが現状です。
今回は、歯科衛生士が考える離職の原因と、歯科医師が考える原因の違いに焦点を当てて、お互いの認識を見ていきます。
歯科衛生士の離職の原因の一番は「院長」?
まず、歯科衛生士の離職の原因を第1位から5位まで確認してみましょう。
第1位 人間関係の問題 78%
第2位 時間面の労働条件 69%
第3位 給与面の待遇改善 59%
第4位 産休・育休の問題 41%
第5位 福利厚生 31%
第1位の『人間関係の問題』では、具体的に誰かとの質問に対して『院長』と答えた人の割合は約60%で最多でした。その次にスタッフ間と答えた人が50%程度であったとされています。
第2位の『時間面の労働条件』で、その中でも勤務時間、有給休暇、残業時間や日数が最も多い回答でした。
また、復職予定の歯科衛生士が希望する勤務形態では非常勤が約60%と、常勤よりも多い結果でした。
非常勤を希望する人は、午前中の勤務や都合の良い日のみの勤務など、柔軟な働き方を希望している人が多く、結婚や出産などで家庭とのバランスを両立したい人が多いためと考えられます。
歯科医師が考える歯科衛生士の離職の原因は「ライフスタイルの変化」?
では歯科医師が考える、歯科衛生士の離職の原因をみていきましょう。
第1位 産休・育休の問題 63%
第2位 人間関係の問題 33%
第3位 結婚をしたため 29%
第4位 時間面の労働条件 13%
第5位 給与面の待遇改善 9%
この結果で興味深い点は、第1位の産休・育休の問題と回答した歯科医師は全体の約65%となっており、第2位以下の原因と比べても非常に大きくなっております。
このことから、歯科衛生士が退職する原因の多くは、出産や育児による都合であると捉えられているのではないでしょうか?
また、これまでに退職した人たちの理由を歯科医師が聞いた際に、建前として育休や出産のためとして説明されたために、このような結果が生じている可能性は考えられます。
働きやすい環境を手に入れるためにもまずは院長と相談!
歯科衛生士の不足を解消するためには、資格を持ちながらも働いていない方の復職が大きなポイントとなってきます。
今働いていない歯科衛生士さんたちも、きっと何らかの理由があって職を離れています。その理由を知ることは歯科衛生士不足解消のためにも、とても大事なことになります。
人間関係の問題をどうやって解決するのか?
働き方の問題をどうやって解決するのか?
歯科医院やクリニックで中心となって働く歯科医師と歯科衛生士の意識の違いをなくすことが、この問題を解決する最初のステップになるのではないでしょうか?
今、仕事を辞めたくて悩んでいる方も、もしかしたら院長と話をすることで認識の違いを無くして、働きやすい環境に変えることもできるかもしれません。まずは、歯科医師と歯科衛生士の双方が思っている離職の原因を正しく知ることから始めてみましょう。